「チーズはどこへ消えた?」とは?
「チーズはどこへ消えた?」は、著者スペンサー・ジョンソン氏の「Who Moved My Cheese?」の日本語訳版です。日本語訳は角田美鈴氏です。
全米で2年間にわたりベストセラートップを独走し、「この物語があなたの人生を変える」というキャッチフレーズで日本でもベストセラーになりました。
ちなみに読書時間はおよそ40分〜1時間ほどの短編小説です。
あらすじ
物語に登場するのは2匹のネズミと2人の小人。
2匹と2人はとても複雑な迷路の中に住み、チーズを探し暮らしています。
ある日、大量のチーズを見つけた2匹と2人は喜び、チーズだらけの暮らしを楽しんでいました。しかし突然、そのチーズが消えてしまったのです。
チーズが無くなった途端、次のチーズを探しにゆくもの、チーズがないのはおかしい!と怒り出すもの、いつかまたチーズが出てくるはず…と居座り続けるもの、はたまたチーズがいつか無くなるものと思い準備をしていたもの…とそれぞれ別の行動を取り始めます。
別々の行動をとった彼らがどんな結末になるのかは、読んでからのお楽しみです。
読んだ後は自分に置き換えて振り返ってみてくださいね。
考察・感想!
まず「チーズ」とは「あなたが追い求める幸せの象徴」です。
仕事や財産、健康や家庭など…。
また「迷路」は「チーズ(幸せ)を追い求める場所の象徴」です。
例えば会社や地域社会、過程などです。
今目の前にあるチーズ(幸せ)が突然無くなってしまったらどうでしょうか?
複雑でたどり着けるかわからないチーズをすぐに探しに出かけられますか?
チーズが消えたのは誰かのせいで、きっとすぐ戻ってくる!と怒り、いつかチーズが戻ってくるのを待ち続けますか?
登場する小人のホーは、遅れをとりながらチーズを探しに出かけます。
その中で様々な葛藤をし、そして自分の心の発見をしていきます。
- チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全
- 変わらなければ破滅することになる
- もし恐怖がなかったら何をするだろう?恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる。
など…。
私が心に響いたフレーズは
- まだ新しいチーズが見つかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する
- 従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない
変化していくことが怖かったホーが恐怖を振り払い、変化していく様子は自分に当てはめていくべきだと思いました。
この物語が伝えたいことは
- 変化は常に起きる(チーズは常に持っていかれ、消える)
- 変化を予期せよ(チーズが消えることに備えよ)
- 変化を察知せよ(常にチーズの匂いを嗅いでいれば、古くなったのに気がつく)
- 変化に素早く対応せよ(古いチーズを早く諦めれば、それだけ早く新しいチーズを楽しむことができる)
- 変わろう(チーズと一緒に前進しよう!)
- 変化を楽しもう!(冒険を十分味わい、新しいチーズの味を楽しもう!)
- すすんで素早く変わり、再びそれを楽しもう(チーズは常に持っていかれる)
です。
私自身、公務員を退職してから何も変われない「小人のヘム」だったとこの本を読んで気づきました。退職した職場に執着して、怖くて何もしていない自分自身。
ただそこに居座り続けるだけでなく、新しい変化を求め、私なりの新しいチーズを探しに行こう!そう思える素敵な作品でした。